以前住んでいたところで教えていた、男の子(当時小学校4)は、その子のお兄ちゃんもピアノを習ってました。お兄ちゃんは、何というか器用で頭の回転も早く、おそらく大して家では練習しているらしい感じはほとんど感じられませんでしたが、いわゆるレッスン内で学び、形整え、なんとなく進んでしまえるタイプでした。




そういう観点からゆくと、その男の子、つまり弟君は、確かに覚える事は何につけてもはやかったけど、器用さはなく、でも家ではキッチリと、練習しているようでした。この2人を比べてみると、案外お兄ちゃんタイプのようなのが最終的には練習するのが嫌になり、結局、ある程度まではゆくけれど、やめていくパターンが多いです。(ただ、このお兄ちゃんはレッスンに来る事事態に楽しみを感じてたので、結構続いてましたが・・・)




こういうお兄ちゃんは、何をやってもサーっと出来てしまっているので、その姿をずっと見ていた弟君は、どこかで、お兄ちゃんに負けたくはない、私の前で特にやれない姿を見せたくない という気持ちは、相当あったんでしょうね。レッスンで、反対にお兄ちゃんは、変な気張りはなく、出来ない事は「これどういう事?」と、分からないことも、あっけらかんと聞いて、素直に直す、これはある意味、すごいレッスンで徳するパターンです。弟君は、反対に出来ない、わからない自分を隠し、誤魔化し、できるフリをする、これの繰り返しの連続が、ある意味取り返しのつかない結果となります。




まあ今から思うと、当時私は弟君にこれをずっと、やられていたのです。つまり、しっかりと彼が、実はリズムがわかってない、そういうできない姿を見せない様に、うまく誤魔化していたという事を、早い時点で見抜けなかった事を、悔やみました。それが、リズムの大体最初の4分音符♩、あと2はくのばす二分音符、3ぱくのばす付点2音符くらいまでは、音楽に合わせ足もつけ(足はいわゆる行進、一拍のリズム刻みつつ)出来る子は多いんです。少なくとも、弟君もこのあたりはまだ小さかったり、母親もついてきたりしてて、真面目にしかもちゃんと出来ていました。




そして学年が上がり、段々母親もついてこなくなり、手繋ぎの、いわゆる八分音符♫が登場し始めた頃より、リズム打ち時間、すごくふざける様になりました。最初の頃は1小節フレーズ事の打つリズムカードだったので、比較的間違いも分かりやすく、指摘してその場では、一見わかったんだと思い、そのうちに下の表の様に連続してのリズム打ちになリました。でも途中でよーくみてみると、足の基本一拍ごとの行進と、手で叩く表のリズムがずれたりしていて、その都度私は、「今のおかしかったよ!」とは指摘をしてました。が、必ずその度に、わざと足をかけっこにしてみたり、「なんかこんな行進して、ぱんぱんと手でうつって、幼稚っぽい〜」とか言い出し、ますますふざける様になりました。




しかしいちおう教本とかハノンとかは、家でよくさらうせいか、同じリズムフレーズも正しく弾いてきていたので、さほどリズムのことは気にかけずいました。ただ、その年の発表会の曲に取り掛かりだした時、たいしたことのないリズムを誤って弾いてきており、そこを取り出して、片手で弾かせた時に、その間違いを、私が正しいのを弾いて聞かせても、なんか本人はえっ?という感じでわからず、ちょっと唖然としました。本人は「ユーチューブで聞いたし、その通りに弾いた」と言い切り、まるでわかってない様子でした。その時お母様にもラインでしらせ、まずユーチューブ聴く以前の基本のリズムが違ってますから・・・と私がその間違った箇所を、弟君の間違いも弾き、ここはこれが正しいです、と音と共に入れておきました。





次の週、お兄ちゃんがレッスン時に、「なんかお母さんに、弟の間違ってるのがわかんないんだけど、あんたわかる?とか言われたんで、弾いてやったんだけど」と言うので、実際確かめてみたところ、お兄ちゃんは正しくそこのリズムをひいておりました。正直言って、何でわからなかったんだろう?という程度のリズムでした。でも、この事実により改めて、彼がいつもリズム打ちの時、わざとふざけてできない自分を隠していたんだと分かり、ショックでした。でもそれからでもまだ遅くはない!と思い、ある程度リズムを限定して、しっかりやらせようと試みました。





ただ結果的には、その子のお受験塾が忙しくなってきた頃ともかさなり、又何となく思ったより塾の方もはかどってなかったのかもしれません。私がレッスンで、基本的な8分音符♪をやろうとすると、「そんな簡単な事、もうやったよ」とふてくされ、他に曲も出来てない箇所を、「片手ずつやろうよ」というと、「めんどくさー」と言ってみたり。もう手がつけられない状況でした。



もし私がもっと早い段階できっちりとリズムをやり直していたら、難しい曲に対し正しいリズム判断が出来、やはり出来るって事は楽しいとまでいかなくても、嬉しい事だから、塾の勉強にも影響したかもしれない!?とまで考えるのは、確かにピアノの先生としては、逆に余計なお世話といえばそうだけどもね。





結局彼は、その年の発表会を最後に、勉強に専念したいとのことで、ピアノは辞めました。まあ、私もその1年後、引っ越したので、その後彼が、無事志望中学へ入れたのか?ピアノに再び向かえるようになったのかは知る由ありません。でもその経験があったから、最近、自分の生徒でリズムが初歩の段階から八分♪音符が出てきた時点で、それとなく基本泊に乗れて、正しくリズムがたたけてるかは、厳しく観察するように、しています。ふざけに紛れて、実はできない自分を誤魔化し見せているのではないかと。やっぱりできない事って誰もが見せたくないもの。でもあの弟君のように後々、辛い思いはさせたくないから・・・。ね❗️💕




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