私は独身の頃、ヤマハのシステム講師をやってました。かなり前とはいえ、結婚してここ横浜に来てからも、システムの講師にはなりませんでしたが、ヤマハの特約店でピアノ個人講師としてすぐ稼働しはじめたので、年と共に、いろんなコースができた事、当然楽器店内でも、私の個人へグループより来た生徒も、また上のクラス(グループ)と並行し、個人レッスンは私が担当というケースも経験しました。というわけで、全くおうちで個人的に教えてきただけの先生よりは、もう何となく、お母様方のお悩みは、お会いする前より幾つか想像できます。

 

Hちゃんのお母様にあらかじめ、Hちゃんは、全く初心者ではないので、一応今現在使ってみえる教材などご持参頂き、もし少しでも弾ける曲があれば、弾いて頂き、お話しいたしましょう、とお話しさせてもらいました。お母様も全く同じイメージを持っていらっしゃったようで、まずはほっといたしました。

 

Hちゃんは、自分からペラペラと喋りかけるタイプでは決してないのですが、実に落ちついてお話しの聞けるタイプの子でした。演奏も可愛らしい1曲でしたが、タッチもしっかりしており、グループで学んだことを丁寧にお家でおさらいなさってるんだなーと、ワークブックの書き込みからもかんじさせられました。「今グループは、楽しい?」とHちゃんに直接問いかけると、ちょっといきなりだったので、最初は、ん?わたし?とびっくり私を見つめ、でもママが、優しく「先生がHちゃんに聞いてるんだよ、答えて〜」と。すると、うんと首を縦に振りました。

 

 

ワークブックに、ピアノの真ん中のドから順に5線ノートに、えんぴつで、ドレミファソラシドとマルがかかれてあったので、「このドの上に一つ飛んでミ、そしてミからまた一つ飛んでソ、(ドミソ)この3つの音をこうして片手でいっぺんに弾くこんな和音、よく弾くでしょ?グループで」というと、「はい」と。「ラからの (ラドミ)、ファからの (ファラド)、ソからの(ソシレ)、レからの (レファラ)     そうなんです。この5つのカッコの和音は5つ調の大事な和音なんですよ」というと、「なるほどねえ、とにかくこの子達にしてみると、何でこの音を弾くのか、それは何なのかよくわからず、ただ先生の、この音を弾いて〜という指示に従って、弾いてただけなんですよ」と、ママは言われました。

もしかしたらHちゃんは、今日みていても、とても落ちついてじっくりとお話しの聞けるタイプ、きっとグループでも、しっかり宿題もやり、和音などきっちり弾きこなすお子さんだったんでは・・・?そういう子って、余裕もあるせいか、なんでこの和音弾くのかな〜とか、どミソだけでなく、なんでおんなじ形のソシレとか、つかいわけるのかな〜とか、考えてしまうんです。もしかしたら、お家でもたまに、上に書いたような疑問を、ふと呟いたことも、あったのかも。

 

でもその疑問を、ほかにもお友達のたくさんいるグループの中で「はい!先生質問があります」と聞ける幼稚園児は、まずいないでしょう。万が一そういう事態が起きても、先生としてはその子1人だけに、お相手は、不可能です。まあ、そんな理屈よりは、メロディからどれが合うのかな〜的な、耳で聞いて歌って味わい、そしてお友達と共に、楽しくアンサンブルしたり・・・・でもこういう、音をお友達とともに聞いて感じ、進んでゆく機会が幼少期に、しかもHちゃんのようにたのしく過ごせてる子は、とても幸せです。

 

 

これからHちゃんは個人に移っても、それはいい影響で、現れてくる事は、間違いありません。ただ、グループで今まで和気あいあい楽しく過ごせた時間が、いきなり先生との1対1、でもこれが子供って案外順応性も高く、またHちゃんのように、4月より小学校に上がる子は、何もかも新しい環境、時間体制になり、めまぐるしいなかで、過ぎてしまうかもしれない。「そうなると、理想言えば、グループと個人も、両方やる事でしょうかねえ」と、お母様。確かに、だんだん難しくなっていく中、グループだけだと、細かい指のこと、出来具合いは一人一人違うわけだし、グループだけだと、みんな、とにかく同じように、同じカリキュラムで進んでいかなくては成り立たないんです。ただ、今や習い事は、音楽だけではない、スポーツに、勉強に・・・と様々。それに兄弟もいたら、送り迎えやら、金銭的なことだって、現実問題、ないがしろにはできません。

 

でもね,・・・私はやっぱりこれからどういう風に音楽をやっていきたいか、・・・お母様としたら、お子様にどうなってほしいか、そしてHちゃんも小さいなりに、幼児科で、こうして楽しくやってこれたわけです。それなりに、どうなっていきたいかという事を、パパもまじえ、よくお話しあいすることが、大事だとおもいます。

 

私としては、もし入会されたらいつもですが、グループで学習された子には、それまでにどのような力がついてるのかを、今までの教材を使い、ノートで補足しつつ、せめて最低でも1か月は、その子の特徴をよくみたうえで、ボチボチと新しい教材を提供していく過程をとってます。

お話し中心で、どうしてもこういうケースの場合、お子様が、枠の外となりがちですが、Hちゃんは、たまの私の問いかけにも、次第にしっかり答えてくれ、よくお話しをわかって聞いてくれてた感じでした。たまたま私が来たる3月20日にある発表会のトーンチャイム(前の子がレッスンで少し練習した)が目に入った事により、「もしよかったらお見えになってください」、と声かけもできました。

 

2日後、お母様よりメールが来ました。お子さん自身も私の話しを聞いて、改めて刺激を受け、親子で一緒に考える機会がつくれ、本当によかったと。私も嬉しい気持ちにはりました。3/20の発表会もぜひ伺いたいとのことでした。もし入会となったらすごく嬉しいのですが、それこそ最近のピアノの先生同士のオンライン会でも出たお話し・・・よく親子ではなしあいもしないで、入会され、こんなはずじゃんかったとなり、お互いが悲しい思いをすることないように、それこそHちゃんだけでなく、同じように悩んでみえる方々、ぜひこの東戸塚Keikoピアノ教室へ、いらしてください!お待ちしております。🎹💕