私は毎年、それこそこのブログで紹介している講師仲間たちとのコンサート(みんなの舞台)で毎回プログラムの最後に朗読のバックとして、そのお話しから湧くイメージを、ピアノ曲として作曲し、その曲を自ら弾かせてもらってます。夏目漱石の夢十夜、及び江國香織の短編を主に、毎回毎回1話取り上げ、やっています。振り返ればみんなの舞台も当初年1回(10月)だったのが、年2回(6月、11月)となってからでも、もう10年余り経ちました。
実はその、お話しからのイメージより音を作り上げていく創作の過程は、主に結婚してこの横浜へ移り住んだ頃出会った、リトミックの即興(MIC)クラスでの体験がベースとなってます。リトミックというととかく、音楽(拍子、リズム・・・・もっと突き進んで、調性感e tc)を体で感じとり、体を使って表現してゆくスタイルをとり、音楽に合った体の表現という点では、幼い子供達にとっては、変に難しい音符読みやら、リズム打ちといういわゆるお勉強・・・という角度でなく、音を聞いてそれを感じ、体で表現・・・・そしてそれはピアノなど学ぶ上にも、役だっていくだろうということで、いわゆる私自身も子供の音楽教育の一環として、その体を動かすリトミックをまずならいはじめました。
案の定、その大人対象のリトミッククラスには、私の様にピアノなどの音楽教師、或いはもう自分自身がリトミックを教えていてさらに教えに磨きをかけるために来ていた人ばかりだったので、なかなかみんな積極的なレベルも高い、しかし毎回楽しいクラスでした。何年かやっている内に私に子供が出来、たまたま私と同じ境遇になった方が数人おられ、またメンバーも何人かがこれなくなっていき、このままクラス存続が危うくなりつつあった頃、何とそのリトミックに即興部門なるものがあり、そのクラスを立ち上げたいが、あなたもどうかと、誘われたのです。
そのリトミック即興というのは、それこそいろんなイメージ、もしくは情景、人間の心情などを、音で表現する、…曲の形式にとらわれず、…勉強でした。即興とはいえ、いろんな音の条件のある中で、音を作りあげてゆくのは、私にとっては新しい試みで、とても新鮮であり、楽しいひとときでした。まさに、みんなの舞台のお話しのイメージから、音楽を作っていくのには、ピッタリでした。
ただここ数年、きっちりとした楽曲をまた再び描いてみたいなあと思ってはじめたところ、やはり音大時代に、何となくピアノ科だったため、和声学など確かに作曲科の真似事程度しか触れなく、途中切れになったままだったこと、たまたま3年前、あるコンクールに評価してもらうため提出した、夢十夜の1曲が、楽譜の書き方のついて、ひどく酷評されたことなどもあり、やはりしっかりと先生に付いて、学ぶべきではないかと、2年前の秋よりある教室に申し込みました。
ここでは毎年8月終わりに生徒達が自分の曲を発表する会があり、最初の年は私が体験に行ってすぐでした。また昨年も、みんなの舞台の朗読曲の作曲とかさなり、とても手がつけられませんでした。しかし、作曲発表会は見に行き、自分もぜひ次回は出ようと決心しました。
今年になり、でもいきなり楽曲もなあ~と思い、みんなの舞台でここ数年作り続けている朗読のバックを本番と兼ねてつくればいいかと、江國香織の短編より、作り始めました。しかし、なんとなくいきづまり、諦めかけた頃、私の先月終わった6月のみんなの舞台のピアノソロとして練習にかかっていた曲が、とても音が気に入ってきました。もっとも、選曲の段階で、もうそれは感じ、だからこそ選んだのですが、もしかして、こんな音が、ピアノとバイオリンのデュオ作品として、書けないかなあと強くおもうようになりました。
その曲は、ドビュッシーの前奏曲集第2集のなかの、「水の精」という曲です。突如現れ消えたり、時には人をからかったり、といういかにも不思議な水の精らしく、半音音階、そして突然の調性の変化、形式も自由な音の変化が魅力的です。…とはいえ、私はあたりまえながら、そんなドビュッシーのような鋭い感覚と才能は、全然なく、やはり、途中からつまづきまくり…でもここ一週間で、小曲ですが、何とかできあがりました。
これには、バイオリンの音がとても美しい先生と楽器店で一緒の曜日に、おあいできることが、踏ん張ってがんばれたことにつながったとおもいます。彼女とは、いままで、生徒さんの発表会の伴奏とか、またみんなの舞台でも、先生ご自身とのデュオも、何回かさせていただきました。そのたびに、音色の美しさにうっとり(内心は自分の伴奏の難しさで、そんな気持ちに浸ってられる自分ではありませんでしたが)したものです。
今回は、しかし、私のこんなチンケな曲にお付き合いしていただくのは、本音言えばとても申し訳ない気持ちですが、やっていただけることになり、ありがたく、会にむかって(8月最後の日曜日)見直しと、しっかりした清書にかからなくてはなりません。まだまだここでの勉強は、これからも続けられるだけやるつもりです。そして、さあこれから曲の最終しあげです。‼️🎹