7/21のブログでとりあげました、ある音楽教室で、作曲を習いはじめて2年、いつもそこの教室で毎年8月の終わりに開催される作曲の発表会に、今年はじめて参加しました。それこそ、ここ何年かは、作曲といっても我々講師仲間同士で、毎年6月と11月に行う“みんなの舞台“と称するコンサートにて、毎回エンディングのプログラムとして、短編小説朗読をしていただいております。そのお話しのバック、まあBGMとして、私がそのお話しに合った曲を書き、それをピアノで奏でています。



確かに、私自身がそのお話しから湧くイメージを、音にし曲として書いていくわけですから、作曲には違いありません。ただしっかりした形式とかに基づき創作した楽曲とは言い難く又、せっかく和声学などもう一度、1巻よりやりなおし、このごろ最終の卷まで辿りついた事もあり、とにかく曲がりなりにも、楽曲なるものを書かなくては、教室へ通っている意味がないのでは?と、思いました。




とはいえ、いざ始めようといっても、何をどういう形で音としていこうかと考えた時、やはり何か元となるものが欲しかったんです。ちょうど1年前くらいに、来年の作曲発表会は絶対出るぞ〜と考え出した頃、その元なるものがなく、困りはて、結局最初はここ数年やってきた、みんなの舞台のお話しをベースとし、それをしっかりとしたピアノソロ曲として・・・・そう、朗読のバックとかB G Mとしてでなく仕上げてゆけばいいんでは?という考えに至りました。




みんなの舞台ではワンステージが、長くとも15分でおさまる様にしなくてはならず、夏目漱石原作の「夢十夜」の、ひと夜のみを1回でやってました。しかしこのお話しは、何といっても夢のおはなしで、奇妙な展開のものが多く、毎回この題材でお客様にお付き合いいただくのは、どうか?となり、江國香織原作の短編集より、ちょうどいい長さのものを選択し、この二つで交互に扱ってました。





そんなわけで、今回私の作曲の題材(元なるもの)としては、やはり江國さんの作品にしました。どうせなら、今までやったことのない話しを・・と。かかりはじめた最初の頃は、この数年やっている感じのまま、お話しのイメージにより、音を選択し楽譜にしてみたものの、思ったより主人公の心の動きをとらえている感じが中心で、お話しとしての展開は乏しく、曲として、これでは、ただただ音の羅列にすぎない状態になりかねないな〜と、途方に暮れだしました。





結局途中で進めなくなり、一旦は中断となりました。おまけに11月のみんなの舞台のピアノソロ曲にも追われ、あれよあれよという間に12月になりました。舞台も終わり、又次の6月の曲も決めなくてはならないし〜、と。でも自分の中には、やっぱり作曲発表会の事は、気にはなってました。作曲の先生には、それとなく「曲の方、進んでますか?」と聞かれるし、あーやばいよ、やばいよーと焦る日々の中、私は6月の舞台で弾くドビュッシーの前奏曲の1曲に、すごく惹かれました。




それは、前奏曲第2集の8番目、「水の精」です。元々私はドビュッシーの全音音階など、どこへ行くかわからない宙を浮いたような音の流れは好きでした。この曲自体はそれほど長くもなく、こんな音の感じで曲が展開できたらなあと、強く思うようになりました。又昨年秋頃から弦楽四重奏(それも、ドビュッシー、あとラベルとか、先生のレッスンで、少し分析(大して深くはないが)していたこともあり、バイオリンとピアノのデユオで・・・・と考え出したら、もうこれしかない!これでいくしかない!と,思うようになりました。




それは、楽器店の教室で、同じ曜日にバイオリンの先生がいらっしゃること、彼女とはみんなの舞台でも何度かデユオしたり、何年間か彼女の生徒さんの伴奏もやっていましたから。とはいえ、さすがに今回、私の作品を、弾いて頂きたいと言うには、正直ちょっと勇気が入りました。でも思い切って言ってみたら「先生の作られた曲?それは楽しみ」と、すんなり引き受けてくださいました。





まあそれはそれで、じゃあ私がその後スルスルと、曲作りがはかどったんかい?と聞かれれば、いやいや、なかなかなかなか、苦しみました。元になる素敵な曲があるからといって、天才ドビュッシーと、凡才の私、当たり前ながら、次々とワクワクするリズム、和音展開は、とてもとても足元にも及びません。でもそういう時、他人が絡んでる事って、もうやるしかないんです。私なりのテーマを色んな調でとりあげ、盛り上がりをつくり、エンディングまで漕ぎつけた時には、もう7月の終わりでした。

あわてて清書と、楽器店のレッスンの休みを、2人で合わせ、仕事の前後で、何度か合わせ本番を迎えることができました。





まあかなりのお世辞もあるかもしれませんが、発表会では他の作曲の先生方にも、おしゃれな曲とか、フランス音楽の和声が取り入れられ、雰囲気はよく出ていた、etcのご好評頂きました。でもみなさん、もっと長く聞いていたかったと・・・・。確かに、5分弱の曲、通せばあっという間でした。よーし!来年はせめて10分にはしたいなぁ・・・。今からもう構想練っておかねば!・・・。でも、いい経験になりました。バイオリンの先生、改めてありがとうです。💕🎵❤️