私が 大学を卒業して、ヤマハ音楽教育システムの講師になったばっかりの頃、先輩講師さん達が、ある有名な人気の講師さんの、お話をしていました。。
とにかくその人のクラスで育った生徒は みんなよく出来る子に育つ、素晴らしいレッスンをされる…と。
そんな有名になるほどの人のレッスンなんて一度は見てみたいものだと思い、その機会が訪れました。
確かに楽しく、みんないい子ちゃんで、反応は早いし、先生の言う事はよく聞くし、ある意味、見学されるための、選抜クラスだったのかもしれません。
しかし、たとえそうであっても、この生徒達は、この先生の元で育った事実はまちがいなく、まあここまでに よくしたもんだと、感心している時、最後に、教本にある歌を、みんなで歌って終わろう!となりました。
その時、その先生が、「私この伴奏弾けないのよ、ねえ、・・先生、弾いて」と言いました、。はあーー?思わずびっくり!!難解な伴奏ならともかく、子供のしかも、いつも使っている教材のですよ。この先生は、いつもどうしてるんだろう? さっきの感動が、いっぺんに、吹っ飛びました。
確かに、子供を教えるのに実際、先生がバリバリ弾ける人がいいのか、と言われれば、そうでもないケースも、多々あります。ただ、毎回生徒のレッスンで、一度は口にする、頑張って練習しようね的な言葉は、じゃあ自分はどうよ?と 考えれば、やはり私は常に自分自身の練習も、やり続ける事が必要不可欠だと思います。
でもこれからは、そのかつて見学までした、指導者として、素晴らしいと言われる… でも、弾いてないんだよねえーみたいな方が、身近に現れたら、今度こそこういう人は、どんなところがすごく評価されてるのかをよく観察するよう、心がけたいです。だって、すごく優秀な生徒達を育てあげたのは、確かな事実だからです。
みなさんも、考えてみてください。幼稚園、学校、職場でも…..自分はすごく能力があっても、なんか人に上手く伝授できない人、一生懸命やってるんだけど、一人で空回りしてる人、反対に能力がなくても、上手く優しく導いてくれる人、でも、私は両方欲張ってみたいと思っています。