A君は、習い初めては、まだ1年半なのですが、実は2つ上のお姉ちゃんがおり、そのお姉ちゃんが年中より習いはじめたので、まだその頃2歳、当然おうちでお留守番できるわけなく、そのお姉ちゃんと共に、うちへはきていました。たかが30分とはいえ、当たり前ですが、お姉ちゃんのレッスンを、静かにきいてられるわけはなく、今思い出せば、本当にお母様は、大変だったとおもいます。
A君のお気に入りの本、小さなおもちゃなども持って、もう用意された椅子でなく下にママが座り、そのママのお膝で本を見たり、おもちゃを動かしたり・・・・、ニコニコお母さんと過ごす姿は、微笑ましいものでした。ただそれも毎回毎回穏やかに過ごせるわけはありません。あんまり仲良すぎて、ママがA君に読んであげてる本の声が、ややお姉ちゃんのレッスンの邪魔になって、まだまだ充分に甘えたい年齢であるお姉ちゃんが、ついついレッスン中に、ママの方へ目が入ってしまったり、時にはA君がたまたまあまり気乗りしない本をママが持ってきてしまい、ふてくされ怒ってしまったり・・・・。まあそれでも、基本的にA君はお姉ちゃんのレッスンには、いつもついてきていました。
大抵の場合、上の子がやっている事って、下の子もやりたくなるもんです。やはりA君もお姉ちゃんに付いてきて1年半くらいの頃より、「僕もピアノやりたい」と言い出し、以前からリズム打ちなどは、お姉ちゃんと一緒に並んでやってましたが、その頃より、お姉ちゃんが終わると、さっそく自分も椅子にすわってやるんだ!という感覚で、もうお姉ちゃんが終わるやいなや、椅子を占拠し出しました。私にとって、ピアノを習いたいと思ってくれた事実は、すごく嬉しかったのですが、さすがに次の生徒さんのお時間を、裂くわけにもいかず、ママも「まだA君は早いよ」と、半分無理矢理、椅子から引きずり下ろす形となる日々が、何回かありました。
そんな中、ママより「1度A君に、体験レッスンをしてもらえますか」とお話しがあり、実施しました。お姉ちゃんをずっと見ていたとはいえ、やはりどの下のお子さんもそうですが、全く最初のドの音探しからスタートです。指番号とかも、A君の手形を書いて、確認して最後に教本の一番最初の、真ん中のドを色んな指で弾いてみようの途中で終わりました。そして私としては、やりたい気になったらいつでもどうぞ という事で(まあ本来、体験というものは、そうなので)その日は楽しく終えました。明らかに、私の見た感じでは、K君はもうしっかり習うんだという意識が感じられました。
でも次の週に、以外にお母様が、「Aは学年が上がったら、習わせようと思います」という事だったので、まあそれぞれのご家庭の方針もありますし、K君も特に何も言わなかったので、そのままいつも通りお姉ちゃんのレッスンを始め出し時、いきなりA君が、ママがカバンより出した本を投げつけ、「こんな本じゃないよ!僕のピアノの本は?ピアノがやりたいんだよー、」と騒ぎ出しゴネ泣きしだしてしまいました。ママも「おうちでちゃんとお話ししたよねえ、しっかりお勉強というふうにピアノができるようになってからスタートしようねって」という調子で、始まり出したので、はて・・・・どうしようかと。
ところがこの時不思議なほど、お姉ちゃんが動じてなく、私もある意味淡々とレッスンし続けられたのが、今でもその時の光景よく覚えてますが、普通レッスンが中断されるのが当たり前の空間なのに、いつも通りの・・・・確かに音の聞き取りは不可能だったとはいえ、全てメニューはこなせました。さすがにお母様よりその日の夜、お詫びのラインが届き、その後二回ほど、お姉ちゃんだけでレッスンに来ることに、なりました。お姉ちゃんにA君の、大騒ぎしたレッスンの次の週に、「前回は大変だったけど、よく頑張ってたよね〜」と言ったところ「家で何時もあんな感じだったから、別にどうってことないよ」と。そうだったのかと改めて思いつつ、しかしK君が内心ピアノが嫌になってしまわないかと、ちょっと心配しました。
でもまたA君はお姉ちゃんレッスンに、まるで何事もなかったように、明るくスッキリとしてお姉ちゃんのレッスンに付いてきていました。そしてちゃんと年中さんになったら始めるんだという意識を持ったようでした。
実際レッスンが始まりだすと、もう全くA君にとって、このお教室自体、そして私という先生自身にも、緊張するという事は、もちろん当たり前ながら全然ないので、そのまま抵抗なくリラックスしてレッスンに入れるという良さの反面、逆にふざけすぎたり、もうお姉ちゃんのを見てて、知ってる〜という感覚だけで、やれてる気になってしまっているのがあり、実際弾けない事とのギャップに、結構イラついて、ピアノを叩き弾きしてしまう時も、多々ありました。
今働いていらっしゃるお母様が多く、お仕事後にお子様を連れてみえレッスンというケースばかり。子供って幼稚園、保育園で過ごした後レッスンなので、普通考えれば、疲れてしまうわけです。日によっては来る前にうとうととなり、ボ〜っとしたままきてしまい、すごく不機嫌ってな事は、当然おこりうるわけです。でも大抵きたすぐは半べそ状態でも、帰りにはニコニコなります。A君も年長になったばかりの頃、来年のために保育園でお昼寝がなくなりつつあり、タイミング悪くピアノの時間に眠気が襲うという現象、よくありました。
でも、そういう現象に振り回され、躊躇されてても、キリがないのです。A君ももろ不機嫌極まりない顔でやってきて、でももうそんな時ママと私で強引に、「うん、つらいね〜でもレッスンでそんな気持ち、ふっとばそう!」と言い、とにかく次々とメニューをこなしてゆく方向、もうやるときゃやらなきゃダメよ!グイグイと子供を引っ張って行く母の強さ・・・そう、A君ママには、子供もすごく反発もするかもしれないけど、よーし、やるぞ!と、逆に頼もしさというか、たくましさも感じられます。最近教本1もあと3曲あまり、変顔してふざける中にも、やらなきゃ!と自分からかんじてるA君、いい軌道に乗ってきました🎶❤️
東戸塚Keikoピアノ教室では、みなさまの体験、お待ちしております。