ハノン教本と聞くと、ピアノをある程度の期間習われた経験のある方なら、「あーそれね、」と、大抵苦笑いを伴った顔を、されます。まあ、楽しい教材ではないですからねえ。30番までは、ハ長調で右手と左手が、同じ音でかかれ、1章節(線で区切られた一つのお部屋)のパターンが、そのまま一音ずつ上がっていき、また同じパターンで、下がってきてはじまりの音までくるんです。
私が小学生くらいの頃は、ハノンという本は1冊のみで、音符も小さく31番までの指筋トレに加え、音階、分散和音、トリル、オクターブなど60番まで、ぎっしり詰まったという…なんかみただけで、拒絶反応しそうなすごい威圧感あるものでした。
実際、自分も先生からこの本を与えられた時、パラパラっとめくって、これはえらい難しそうな、やばい本をやることになってしまったなあ〜と、思った記憶があります。ところが半分嫌々やりはじめたところ、右手と左手が同じ音、同じリズムで弾いていくだけだったので、以外と構えた割には、拍子抜けしたのも、覚えています。
それにしても、もう今現在は、ハノンもいろんな出版社から色んな形で出ており、ちゃんと1曲ごとに、リズム変え練習も、ついてます。また、元の形が、ハ長調なので、その形のまま、ト長調(黒い鍵盤が、一つ登場する)などに、引っ越ししてひく 移調の練習などにもつなげれるよう、書かれてあり、ページもゆったり1曲につき、2ページ分ついやしてあり、みやすく、もし私が昔、これが与えられてたら、威圧感はなかったろうなあと、思います。
私は今、ピアノの先生としては、主に、Gakken出版の、第1巻と2巻に分かれているものを、使っています。最後に、音階もついているというのが、またとても気にいってます。このハノンに入る頃というのは、ある程度基礎が身につき、これからますます細かい音群達に対処するには、指1つ1つが、強く独立しないと・・そして、音階も、ノートに、とりあえず、個人差はあるものの、最低でも、ハ・へ・ト長調(シャープ、フラット1付く)、イ短調は、1オクターブ書いてあげ、もう何回かは弾いており、暗譜もしくは、見てでも弾ける程度には、なっています。
でも、ここまでの過程で、やはり毎週の練習の度合いを見ていて、ちょっと長い曲(とはいえ、まあ10小節程度)くらいでも、なかなか見てこれなく、レッスンで補講的にやっても、大変な子達には、ハノンは、同じ繰り返しとはいえど、16小節ひっきりなしに弾きつづけるのは、明らかに無理だろうなあと、おもわれ、そういう子達には、やはり、短いもので、音も簡単に読める教材(バーナムなど)で、とりあえず、テクニック的な事、一曲でも進ませ、力ついてきたら、….でもやはり、私は、ハノンに切り替えたい。
バーナムだけでなく、今、いろいろ短い曲で、スタッカート(跳ねて弾いたり)で弾かせたり、音符の反復させたり、初見でも(練習してこなくても、あるいは、大して時間かけなくとも)音がさっとみられ、弾ける、こういう本もいっぱいあります。
ただ、やはり指の鍛錬とか、スポーツでもそうだと思いますが、筋トレ的な事って、反復が多ければ多いほど、指、体は、しっかりしてきます。バーナムは親しみやすく、やりやすいけれど、まあトレーニングには、ならないと、私は思います。ハノンへいきやすくする、きっかけにすぎないという気がします。
みんな結局、あんな素敵な曲、弾けたらいいなあと、ピアノはじめるわけです。でも、最近また特に、アニメも、歌謡曲も、もちろんクラシックも、素敵で弾きたくなる曲って、音は細かいし、長調、短調も、なかなか黒い鍵盤だらけ、つまり、かなり、難しい調の曲が多いのです。
「うちは、専門に音楽やらすわけではないから、そんなむつかしいことは、やらなくてもいいんです、音階とか、ハノンとか、硬い事なんかいいから、楽しんで弾ければいいんです」と、お母様方おっしゃる方、多いです。でもね、専門までいかなくても、たのしめるだけにでも、やっぱりせっかくピアノ、お金出してまでならいにみえたら、ハノン路線へ、乗っかってほしい。実際曲がりなりにも、ハノンこなし、音階もやり続けてる子は、歩みが遅くても、楽しめる境地には、いけます。
別に、ハノンも、音階弾きも、本人ペースでいいんです。ぜひ、今ハノンとか、音階でつまづいて、もういやだー!と、根をあげそうになってる子達❗️それを見ているお母さま方、レッスンで、先生は必ず、家でどうしたらできるかとか、いろんなポイントを優しく繰り返して、教えてあげてるはず「諦めずやっていったら、必ずできるよ」と、声かけしてあげてください。そうやってできた時、必ずそれは将来、大きな曲を弾ける第一歩となることでしょう‼️